REONALab.Blog

数学と芸術とプログラムについて日々思ったことを書いていきます、雑食。

マネーショート

もうすぐ春ですね、ちょっときどってみませんか?

 

ということで、一ヶ月もサイトを更新しなかったことを悔やみながら、置いておいた筆をとってみた。

言い訳だけさせていただくと、2月3月は移動が多かった所為かどしっと座って映画を観る時間が全然取れなかったのが原因だ。他にも本を読もうと思わなかったなあ。数学書しか読んでいなかった。それでは感性が鈍ってしまうと思い、いとまができたので映画館に行って映画をみてきた。

 

2015年、アダム・マッケイ監督によるアメリカ映画。これは2004年から2006年に起きた住宅バブルによって住宅ローンの債権が高利回りの金融商品として扱われた。それを買い漁る投資家が多い中、いち早くバブル崩壊の兆しを読み取った投資家がいた。彼らがリーマンショックが起きた時にどのようにして巨万の富を得たかを描いた作品になる。

 

この作品は巨万の富を得た4人の主人公(正確には1人が主人公であるが、フォーカスを当てているのはこの4人なのでこの4人といっても差し支えないとおもう)金融トレーダーのマイケル・バーリ、ドイツ銀行屋のジャレッド・ベネット、ヘッジファンドマネージャーのマーク・バウム、一線を退いていた伝説の銀行屋ベン・リカートをメインにしている。細かくシーンを変えるため、頭の中で整理しながら見なければならないのが難点である。めっちゃノート使いたくなった。それと金融用語のオンパレードなのでファイナンスに詳しくないと分かりにくい映画であったと思う。しかし、途中に表れる説明がジョークが効いていて中々的を得ていたのでかなりいいと思う。

 

 とまあ、作品の講評はこれぐらいにしていつも通り、自分の書きたいことをつらつらと。

リーマンショックが起きたことは知っていても、リーマンショックがなぜ起きたのかを知ってる人はほとんどいない。また、CDOCDSなんてものは金融屋とか、ファイナンスを勉強しているものでないと理解できない(作中ではうまい例えをしている)ものばかりである。実際私もファイナンスを勉強していてよかったなと感じた。

何が言いたいかといいうと、知識という武器を持たないといけないということと、人間には感情も必要なのだとということである。

知識という武器がないと今起きてる状況がやばいといういうことが分からないのである。当たり前だが、だからと言って持っている人がいるかといえばそうではない。みな楽して生きられるなら生きたいと思っている。そんな中専門的な勉強などしたくないというのはわかる。ただ、そこで勉強しないのはいいが、そのせいで起きたことは自己責任だということを理解しなければならない。それを理解していない人が多いと思う。結局他力本願だし、今回のサブプライム住宅ローン危機は結局政府が関与して金を出したし、本当に腐ったものを見た。あまり私はそういうことは好きではない。だから知るということが大事だと常日頃から思っている。

また、それとは別にマイケル・バーリが儲ける前に一つ事件が起きた。自分にお金を貸してくれた資本家達から資金の引き上げを宣言されたのだ。マイケルが契約したCDSをちゃんと説明したのだが、理解されなかった。まあ、彼の言い方は傲慢さがあったし、説明も不十分だったのが要因だと思う。映画の中でこのようなことをマイケルが書いた。

「人は事実をちゃんと見て儲ける金融トレーダーよりも、信用を築き上げた金融トレーダーを選ぶ。私はあなた方と信用を気づけなかった」

これはまさにそうだなと思った。何事も契約は信用があってこそ成立するものなのだと日々感じている。たとえ優秀でもそこがないといけないと私は思っている。最終的にマイケルは自分の資産を削って儲けは自分のものになったが、果たして成功と言えたのか…

 

とまあこんな感じで楽しめたので中々いい映画だったと思う。

他の3人にはほとんど触れてないし是非見てみてほしい。